東海道五十三次から始まったエジプト木版画
-山本さんが版画を始めたきっかけと言うのは何があったのですか?
木版画を始めたのは中学生の時に授業で彫ったのが最初です。安藤広重「東海道五十三次/蒲原の宿」を教科書で見て彫ったんです。先生からは無謀な挑戦だのなんだのいわれましたけど(笑)
でも手本があったと言うのも大きいですけど、出来上がったときは先生も「よくやった!」と言う感じで褒められて。きっとそういう才能と言うかセンスと言うか、あったんでしょうね。子供の頃から竹トンボとかを作って遊んでいたので刃物の扱いには慣れていたというのも大きいのでしょうけれど。
それから木版画に興味を持つようになり、社会に出てからもポストカードとか年賀状に使うような木版画を作り続けたんですね。
-中学生の授業が木版画との出会いだったんですね。僕も小さい頃やった記憶がありますよ。作品の製作についてですが、平均してどのくらいの期間かけて行われるのですか?
なんともいえませんね。まず版画の大きさによって変わってきますね。大きい版画になるほどに彫らなければいけない部分と言うのは当然多くなってきますから。それと、何色かに分けて摺るので、その分の枚数彫らなければいけないんですね。それぞれの色ごとに別々の版木を掘るので色が多くなると大変な作業が増えます。
あとは、彫るものですよね。例えばカルトゥーシュなんかを彫る時には適当に彫る事は出来ませんし、その通り彫らないといけませんからね。慎重に彫っていると結構時間が経ってしまうんですよ。
一月以上の時間がかかるものもありますし、簡単な版画になると1週間もかからないうちにできてしまう事もありますね。
-なるほど。そう考えると大変な作業になってきますよね?せっかく彫っていたとしてもそれぞれの板が少しでもずれていればやり直しになってしまうとか。根気のいる作業だと思います。版画家で尊敬している人や目指している人物などはいらっしゃいますか?
うーん…尊敬している人ですか?実は、他の版画家さんを尊敬という観点では見てないんですね。うまいな、とか、すごいな、と感じる作品を作る版画家さんは何人かいますけれど、尊敬とはまた違うような。
尊敬というと、やはりその人の作風に共感する事になりますから、作風を真似したりだとかそういった感じだと思うんですけれど、私は私の作風を曲げようとか、人の真似をしようとは思っていないので。そういった意味では尊敬とは少し違うと思いますね。
良く人に言われるんですけれど、私って作品の作り方が変わってるらしくて。彫刻刀には三角刀の印刀とか平刀とか種類が様々あるんですけれど、私の場合は掘る部分のほとんどをその平刀でやってしまうんですよね。線を彫る場合なんかは三角刀の方がやりやすいんでしょうけれどね。
-そうでしたか。それにしてもほとんどを平刀で彫っていたなんて、驚きです!やはり、それなりの労力もかかりますし、大変ですよね。
確かに根気は必要ですよね。でも、版画は私にとってみればわが子のようなものですから(笑)
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