さて、エジプトといえばどのような食事を思い浮かべるでしょうか?まず、エジプトの食生活を語る前に大きく分けることが出来る点があります。それは古代エジプト時代の食生活と、イスラム教が信仰されるようになってからの食生活では大きく異なるという点です。生活スタイルの変化もありますが、イスラム教では豚肉を食することは禁止されています。今日のエジプトの食生活はイスラム教によって大きく左右されていると言えるでしょう。
![]() ファラオの食卓 ![]() 貴族の食卓 ![]() 庶民の食卓 (写真提供:KIRIN様) |
次に貴族の食卓ですが、ファラオほど豪勢とまでは行かないにしても豊かな食生活を送っていたと考えられています。種類の豊富な野菜を中心にして肉などを食していたと考えられます。庶民の食卓では、豆類が多くこれらの食材を茹でて食べるなどしていたと考えられています。調理できないものに関しては生で食することもあり貴族との食生活には大きな差があったようです。しかし、古代のエジプトでは庶民でも手軽にビールを飲むことができ、周辺の同時代の国と比べると豊かな食生活を送っていたのかもしれません。また、肉は一部のお祭りの時しか口にしなかったものの、魚は庶民でも食べる機会は多かったと考えられているようです。
エジプトの現在の食生活と言うのはやはり日本とは随分と違っていて、味付けももちろんですが、宗教的な影響を色濃く受けています。
日本との違いで最大の特徴と言えるのがやはり、豚肉。イスラム教国家のエジプトでは大半の人が豚肉を食べませんし、エジプトの人々が海外に出ても豚肉はやはり遠慮します。その代わりに肉食では日本でも親しまれている牛肉、鶏肉が多く、また羊・鳩・ウサギの肉なども一般的に食用として販売されていたり、レストランで出てきます。
とはいっても、豚肉がエジプトにはまったくないのかといわれるとそういうわけでもなく、豚肉はスーパーなどでは見かける事がありませんが、一部のキリスト教信者の運営している食肉店などでは豚肉を購入する事も可能です。
エジプトでの一般的なスープはモロヘイヤを使用したとろみのあるスープで、最近は野菜は日本でも多く出回るようになってきました。栄養価が非常に高く、体にいいということで評判になっています。エジプトではこのモロヘイヤスープは古代から食されてきた伝統あるスープで、民族料理と言っても過言ではないほど、エジプト人の食生活には欠かせない者となっているようです。
本場のエジプトの料理は全体を通して油の濃い調理法が多く、日本人には馴染みの薄い食べなれない料理が多い、というのが現状です。しかし、炎天下の元で生活をしているエジプト人にとっては貴重なエネルギー源となるなど、その恩恵は余りあるほどの物となっているのでしょうね。
最後にエジプトの菓子類に関してですが、エジプトの菓子は総じて甘いものが多く、日本人の私たちには甘すぎると言うほど甘いものが多いのですが、これはエジプトがサトウキビから作られる砂糖の総生産高が世界一という国柄と、イスラムの開祖、ムハンマド(別表記でマホメット、モハメッド)が非常に甘いものが好きだったと言う事が影響していると言われています。
また、食生活の中で避けて通れないのはラマダンと呼ばれる断食の月があり、これはイスラム教徒が、日の昇っている間は食事はもちろん、水一口、厳格なところではつば一滴ものどを通してはならないつきとされ、この時期は日が落ち暗くなってから1日の食事をまとめて取るようになっているようです。このように、エジプト人はイスラム教の影響を色濃く受けた食生活を送っているというのが現状となっています。



